*ポスター(QRコード付き)
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社会科学の伝統と普遍主義
普遍主義は社会科学乃至社会学から長い間消えていた。政治経済パラダイムシフトは社会全体のマクロ的変化にほとんど関心を置かない。 何故なのか。 社会科学において合理的な選択は理論的枠組みというよりは方法論で社会や政治のマクロなトレンドを説明していない。 私たちはAI登場など新しい技術の発展の中、社会全体の姿がどうなのかに対する感覚なしに生きてきている。マルクス主義や機能主義を用いられず、社会全体を捉える新し仕方はあるのか。河先生は社会の変化の捉え方として伝統に立脚し、これを通じて社会変化に対する普遍的思考の限界を越えようとする。 具体的に韓国、日本、ドイツ、ソ連の伝統を比較した結果、産業化が遅い社会の場合、社会変化を分析することにおいて、伝統が極めて重要な要素だと主張する。
韓国の後期産業化、伝統、そして社会変動
河先生は、韓国の事例を通じて後発産業化と伝統との関係が持つ比較政治·社会学的含意を明らかにする。 韓国の社会経済が高度に発展したにもかかわらず、血縁、学校、地域など伝統的な人的ネットワークが持続し、ひいてはさらに強くなる逆説に注目する。 河先生はこのような産業化で変容された伝統もしくは役割を「ネオファミリーズム」(新家族主義;신가족주의)と概念化する。 ネオファミリーズムがいつ、なぜ、どのように発生したのかについて説明する。 さらに、ネオファミリーズムが韓国官僚制度、民主化、市民社会、そして国際関係に与える含意についても新しい解釈を提示する。 |
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講師 河龍出(Ha, Yongchool 하용출) 氏(ワシントン大学教授)
【講師プロフィール】
河龍出(Ha, Yongchool 하용출) 。専門は、東アジア研究、ソ連研究。ソウル大学文理科大学外交学科(政治学士)、ケント大学大学院(政治学修士)、カリフォルニア大学バークレー政治学(博士)卒業。ソウル大学社会科学大学副学長、ソウル大学外交学科教授を経て、現在、ワシントン大学教授・同大学韓国学研究センター所長。大統領政策諮問委員・外務省、統一部、国防省諮問委員、韓国国際政治学会長、ソウル大学統一フォーラム委員長、ソウル大学国際問題研究所長などを務める。
主な著書に、『북방정책:기원, 전개, 영향(北方政策:起源・展開・影響)』서울대학교출판부(2003)、『후발 산업화와 국가의 동학:탈 관료화와 강성국가의 공동화(後発産業化と国家の動学:脱官僚化と強盛国家の共同化)』,서울대학교출판부(2006)、Late Industrialization, the State and Tradition: the Emergence of Neofamilism in Korea(2007, CPS)、Colonial Social Change (ed.)(U. of Washington Press, 2013)、The International Impact of the Colonial Rule in Korea (UW Press, 2019)、Late Industrialization、Tradition and Social Change in South Korea(to be published in 2023, UW Press)など、多数。
【司会・討論】 木宮正史(東京大学大学院総合文化研究科・教授) |
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【日時】 |
2023年6月5日(月)16時00分~17時30分 |
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【言語】 |
韓国語(日本語通訳なし) |
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【形式】 |
ハイブリット形式で開催(対面+オンライン) |
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【参加手続き】 |
参加費無料、2023年6月3日(土)までに参加登録が必要です。
下記のウェブフォームまたはメールでの登録をお願いいたします。
・ウェブフォームでの事前参加登録は、こちら
・対面参加(定員35名)東京大学駒場キャンパスⅠ 18号館4階コラボレーションルーム3
・お問い合わせ [email protected](東京大学韓国学研究センター事務局)
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【主催】 |
東京大学総合文化研究科 グローバル地域研究機構 韓国学研究センター、
科学研究費基盤研究(C)米中対立、北朝鮮核危機の中での日韓外交構想の相剋をめぐる研究(代表 木宮正史)
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